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path: root/doc/irb/irb.rd.ja
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Diffstat (limited to 'doc/irb/irb.rd.ja')
-rw-r--r--doc/irb/irb.rd.ja391
1 files changed, 391 insertions, 0 deletions
diff --git a/doc/irb/irb.rd.ja b/doc/irb/irb.rd.ja
new file mode 100644
index 0000000000..5068f4536f
--- /dev/null
+++ b/doc/irb/irb.rd.ja
@@ -0,0 +1,391 @@
+irb -- interactive ruby
+ $Release Version: 0.6 $
+ $Revision$
+ $Date$
+ by Keiju ISHITSUKA(keiju@ishitsuka.com)
+=begin
+= irbとは?
+
+irbはinteractive rubyの略です. rubyの式を標準入力から簡単に入力/実行す
+るためのツールです.
+
+= 起動
+
+ % ruby -r irb -e0
+ % irb
+
+のいずれかで行ないます. 前者の場合irbへのオプション指定は, 以下のように
+なります.
+
+ % ruby -r irb -e0 -- -v
+
+= 使い方
+
+irbの使い方は, Rubyさえ知っていればいたって簡単です. 基本的には irb と
+いうコマンドを実行するだけです. irbを実行すると, 以下のようなプロンプ
+トが表れてきます. 後は, rubyの式を入れて下さい. 式が完結した時点で実行
+されます.
+
+ dim% irb
+ irb(main):001:0> 1+2
+ 3
+ irb(main):002:0> class Foo
+ irb(main):003:1> def foo
+ irb(main):004:2> print 1
+ irb(main):005:2> end
+ irb(main):006:1> end
+ nil
+ irb(main):007:0>
+
+また, irbはReadlineモジュールにも対応しています. Readlineモジュールが
+インストールされている時には, それを使うのが標準の動作になります.
+
+= コマンドオプション
+
+ irb.rb [options] file_name opts
+ options:
+ -f ~/.irbrc を読み込まない.
+ -m bcモード(分数, 行列の計算ができる)
+ -d $DEBUG をtrueにする(ruby -d と同じ)
+ -r load-module ruby -r と同じ.
+ --inspect 結果出力にinspectを用いる(bcモード以外はデフォルト).
+ --noinspect 結果出力にinspectを用いない.
+ --readline readlineライブラリを利用する.
+ --noreadline readlineライブラリを利用しない. デフォルトの動作は,
+ inf-reuby-mode以外でreadlineライブラリを利用しよう
+ とする.
+ --prompt prompt-mode
+ --prompt-mode prompt-mode
+ プロンプトモードを切替えます. 現在定義されているプ
+ ロンプトモードは, default, simple, xmp, inf-rubyが
+ 用意されています. デフォルトはdefaultプロンプトモー
+ ドになっています.
+
+ --inf-ruby-mode emacsのinf-ruby-mode用のプロンプト表示を行なう. 特
+ に指定がない限り, readlineライブラリは使わなくなる.
+ --simple-prompt
+ 非常にシンプルなプロンプトを用いるモードです.
+ --noprompt プロンプト表示を行なわない.
+ --tracer コマンド実行時にトレースを行なう.
+ --back-trace-limit n
+ バックトレース表示をバックトレースの頭から n, 後ろ
+ からnだけ行なう. デフォルトは16
+ --irb_debug n irbのデバッグデバッグレベルをnに設定する(利用しな
+ い方が無難でしょう).
+ -v, --version irbのバージョンを表示する
+
+= コンフィギュレーション
+
+irb起動時に``~/.irbrc''を読み込みます. もし存在しない場合は,
+``.irbrc'', ``irb.rc'', ``_irbrc'', ``$irbrc''の順にloadを試みます.
+
+オプションを設定する代わりに, 以下のコマンドでもデフォルトの動作を設定
+できます.
+
+ IRB.conf[:IRB_NAME]="irb"
+ IRB.conf[:MATH_MODE]=false
+ IRB.conf[:USE_TRACER]=false
+ IRB.conf[:USE_LOADER]=false
+ IRB.conf[:IGNORE_SIGINT]=true
+ IRB.conf[:IGNORE_EOF]=false
+ IRB.conf[:INSPECT_MODE]=nil
+ IRB.conf[:IRB_RC] = nil
+ IRB.conf[:BACK_TRACE_LIMIT]=16
+ IRB.conf[:USE_LOADER] = false
+ IRB.conf[:USE_READLINE] = nil
+ IRB.conf[:USE_TRACER] = false
+ IRB.conf[:IGNORE_SIGINT] = true
+ IRB.conf[:IGNORE_EOF] = false
+ IRB.conf[:PROMPT_MODE] = :DEFALUT
+ IRB.conf[:PROMPT] = {...}
+ IRB.conf[:DEBUG_LEVEL]=0
+ IRB.conf[:VERBOSE]=true
+
+== プロンプトの設定
+
+プロンプトをカスタマイズしたい時には,
+
+ IRB.conf[:PROMPT]
+
+を用います. 例えば, .irbrcの中で下のような式を記述します:
+
+ IRB.conf[:PROMPT][:MY_PROMPT] = { # プロンプトモードの名前
+ :PROMPT_I => nil, # 通常のプロンプト
+ :PROMPT_S => nil, # 文字列などの継続行のプロンプト
+ :PROMPT_C => nil, # 式が継続している時のプロンプト
+ :RETURN => " ==>%s\n" # リターン時のプロンプト
+ }
+
+プロンプトモードを指定したい時には,
+
+ irb --prompt my-prompt
+
+でそのプロンプトモードで起動されます. または, .irbrcに下式を記述しても
+OKです.
+
+ IRB.conf[:PROMPT_MODE] = :MY_PROMPT
+
+PROMPT_I, PROMPT_S, PROMPT_Cは, フォーマットを指定します.
+
+ %N 起動しているコマンド名が出力される.
+ %m mainオブジェクト(self)がto_sで出力される.
+ %M mainオブジェクト(self)がinspectされて出力される.
+ %l 文字列中のタイプを表す(", ', /, ], `]'は%wの中の時)
+ %NNi インデントのレベルを表す. NNは数字が入りprintfの%NNdと同じ. 省
+ 略可能
+ %NNn 行番号を表します.
+ %% %
+
+例えば, デフォルトのプロンプトモードは:
+
+ IRB.conf[:PROMPT_MODE][:DEFAULT] = {
+ :PROMPT_I => "%N(%m):%03n:%i> ",
+ :PROMPT_S => "%N(%m):%03n:%i%l ",
+ :PROMPT_C => "%N(%m):%03n:%i* ",
+ :RETURN => "%s\n"
+ }
+
+となっています.
+
+RETURNは, 現在のところprintf形式です. 将来仕様が変わるかも知れません.
+
+== サブirbの設定
+
+コマンドラインオプションおよびIRB.confは(サブ)irb起動時のデフォルトの
+設定を決めるもので, `5. コマンド'にあるconfで個別の(サブ)irbの設定がで
+きるようになっています.
+
+IRB.conf[:IRB_RC]にprocが設定されていると, サブirbを起動する時にその
+procをirbのコンテキストを引数として呼び出します. これによって個別のサ
+ブirbごとに設定を変えることができるようになります.
+
+
+= コマンド
+
+irb拡張コマンドは, 簡単な名前と頭に`irb_'をつけた名前と両方定義されて
+います. これは, 簡単な名前がoverrideされた時のためです.
+
+--- exit, quit, irb_exit
+ 終了する.
+ サブirbの場合, そのサブirbを終了する.
+ cbしている場合, そのバインディングのモードを終了する.
+
+--- conf, irb_context
+ irbの現在の設定を表示する. 設定の変更は, confにメッセージを送るこ
+ とによって行なえる.
+
+--- conf.back_trace_limit
+ バックトレース表示をバックトレースの頭からn, 後ろからnだけ行なう.
+ デフォルトは16
+
+--- conf.debug_level = N
+ irb用のデバッグレベルの設定
+
+--- conf.ignore_eof = true/false
+ ^Dが入力された時の動作を設定する. trueの時は^Dを無視する, falseの
+ 時はirbを終了する.
+
+--- conf.ignore_sigint= true/false
+ ^Cが入力された時の動作を設定する. false時は, irbを終了する. trueの
+ 時の動作は以下のようになる:
+ 入力中: これまで入力したものをキャンセルしトップレベルに戻る.
+ 実行中: 実行を中止する.
+
+--- conf.inf_ruby_mode = true/false
+ inf-ruby-mode用のプロンプト表示を行なう. デフォルトはfalse.
+
+--- conf.inspect_mode = true/false/nil
+ インスペクトモードを設定する.
+ true: インスペクトして表示する.
+ false: 通常のprintで表示する.
+ nil: 通常モードであれば, inspect modeとなり, mathモードの時は, non
+ inspect modeとなる.
+
+--- conf.irb_level
+ 参照のみ. irbが何段cbしているか?
+
+--- conf.math_mode
+ 参照のみ. bcモード(分数, 行列の計算ができます)かどうか?
+
+--- conf.use_loader = true/false
+ load/require時にirbのfile読み込み機能を用いるモードのスイッチ(デフォ
+ ルトは用いない). このモードはIRB全体に反映される.
+
+--- conf.prompt_c
+ ifの直後など, 行が継続している時のプロンプト.
+
+--- conf.prompt_i
+ 通常のプロンプト.
+
+--- conf.prompt_s
+ 文字列中などを表すプロンプト.
+
+--- conf.rc
+ ~/.irbrcを読み込んだかどうか?
+
+--- conf.use_prompt = true/false
+ プロンプト表示するかどうか? デフォルトではプロンプトを表示する.
+
+--- conf.use_readline = true/false/nil
+ readlineを使うかどうか?
+ true: readlineを使う.
+ false: readlineを使わない.
+ nil: (デフォルト)inf-reuby-mode以外でreadlineライブラリを利用しよ
+ うとする.
+
+--- conf.verbose=T/F
+ irbからいろいろなメッセージを出力するか?
+
+--- cb, irb_change_binding [obj]
+ ローカル変数のスコープが違う新たなbindingに移る. objが指定された
+ 時は, そのobjをselfとする.
+
+--- irb [obj]
+ サブirbを立ちあげる. objが指定された時は, そのobjをselfとする.
+
+--- jobs, irb_jobs
+ サブirbのリスト
+
+--- fg n, irb_fg n
+ 指定したサブirbにスイッチする. nは, 次のものを指定する.
+
+ irb番号
+ スレッド
+ irbオブジェクト
+ self(irb objで起動した時のobj)
+
+--- kill n, irb_kill n
+ サブirbをkillする. nはfgと同じ.
+
+
+= システム変数
+
+ _ 前の計算の実行結果を覚えている(ローカル変数).
+
+= 使用例
+
+以下のような感じです.
+
+ dim% ruby irb.rb
+ irb(main):001:0> irb # サブirbの立ちあげ
+ irb#1(main):001:0> jobs # サブirbのリスト
+ #0->irb on main (#<Thread:0x400fb7e4> : stop)
+ #1->irb#1 on main (#<Thread:0x40125d64> : running)
+ nil
+ irb#1(main):002:0> fg 0 # jobのスイッチ
+ nil
+ irb(main):002:0> class Foo;end
+ nil
+ irb(main):003:0> irb Foo # Fooをコンテキストしてirb
+ # 立ちあげ
+ irb#2(Foo):001:0> def foo # Foo#fooの定義
+ irb#2(Foo):002:1> print 1
+ irb#2(Foo):003:1> end
+ nil
+ irb#2(Foo):004:0> fg 0 # jobをスイッチ
+ nil
+ irb(main):004:0> jobs # jobのリスト
+ #0->irb on main (#<Thread:0x400fb7e4> : running)
+ #1->irb#1 on main (#<Thread:0x40125d64> : stop)
+ #2->irb#2 on Foo (#<Thread:0x4011d54c> : stop)
+ nil
+ irb(main):005:0> Foo.instance_methods # Foo#fooがちゃんと定義さ
+ # れている
+ ["foo"]
+ irb(main):006:0> fg 2 # jobをスイッチ
+ nil
+ irb#2(Foo):005:0> def bar # Foo#barを定義
+ irb#2(Foo):006:1> print "bar"
+ irb#2(Foo):007:1> end
+ nil
+ irb#2(Foo):010:0> Foo.instance_methods
+ ["bar", "foo"]
+ irb#2(Foo):011:0> fg 0
+ nil
+ irb(main):007:0> f = Foo.new
+ #<Foo:0x4010af3c>
+ irb(main):008:0> irb f # Fooのインスタンスでirbを
+ # 立ちあげる.
+ irb#3(#<Foo:0x4010af3c>):001:0> jobs
+ #0->irb on main (#<Thread:0x400fb7e4> : stop)
+ #1->irb#1 on main (#<Thread:0x40125d64> : stop)
+ #2->irb#2 on Foo (#<Thread:0x4011d54c> : stop)
+ #3->irb#3 on #<Foo:0x4010af3c> (#<Thread:0x4010a1e0> : running)
+ nil
+ irb#3(#<Foo:0x4010af3c>):002:0> foo # f.fooの実行
+ nil
+ irb#3(#<Foo:0x4010af3c>):003:0> bar # f.barの実行
+ barnil
+ irb#3(#<Foo:0x4010af3c>):004:0> kill 1, 2, 3# jobのkill
+ nil
+ irb(main):009:0> jobs
+ #0->irb on main (#<Thread:0x400fb7e4> : running)
+ nil
+ irb(main):010:0> exit # 終了
+ dim%
+
+= 使用上の制限
+
+irbは, 評価できる時点(式が閉じた時点)での逐次実行を行ないます. したがっ
+て, rubyを直接使った時と, 若干異なる動作を行なう場合があります.
+
+現在明らかになっている問題点を説明します.
+
+== ローカル変数の宣言
+
+rubyでは, 以下のプログラムはエラーになります.
+
+ eval "foo = 0"
+ foo
+ --
+ -:2: undefined local variable or method `foo' for #<Object:0x40283118> (NameError)
+ ---
+ NameError
+
+ところが, irbを用いると
+
+ >> eval "foo = 0"
+ => 0
+ >> foo
+ => 0
+
+となり, エラーを起こしません. これは, rubyが最初にスクリプト全体をコン
+パイルしてローカル変数を決定するからです. それに対し, irbは実行可能に
+なる(式が閉じる)と自動的に評価しているからです. 上記の例では,
+
+ evel "foo = 0"
+
+を行なった時点で評価を行ない, その時点で変数が定義されるため, 次式で
+変数fooは定義されているからです.
+
+このようなrubyとirbの動作の違いを解決したい場合は, begin...endで括って
+バッチ的に実行して下さい:
+
+ >> begin
+ ?> eval "foo = 0"
+ >> foo
+ >> end
+ NameError: undefined local variable or method `foo' for #<Object:0x4013d0f0>
+ (irb):3
+ (irb_local_binding):1:in `eval'
+
+== ヒアドキュメント
+
+現在のところヒアドキュメントの実装は不完全です.
+
+== シンボル
+
+シンボルであるかどうかの判断を間違えることがあります. 具体的には式が完了
+しているのに継続行と見なすことがあります.
+
+=end
+
+% Begin Emacs Environment
+% Local Variables:
+% mode: text
+% comment-column: 0
+% comment-start: "%"
+% comment-end: "\n"
+% End:
+%
+